幻想住人録

クトゥルー 魔界監視局

ティアマト

Tiamat

Tiamato

 

別名

●ティアマット ●トフ   ●テム−  ●ヌン   ●ディアメテル

●ティヤマート ●タウテ  ●テ・ムト ●ナウネト ●ティアマト−

●ティアワス  ●テホム  ●テム   ●マ・ヌ  ●大洪水を起こす竜

 

シュメール・バビロニアなどのアッカド神話などにおける世界の創造をした大地母神。

しかし、母性はなく、混沌とした存在である。

起源は、大地と大気の神「エンリル」によって生まれ、そして滅ぼされた、

シュメールの怪物「ラッブ」である。

シュメール・バビロニアの太母神ディアメテル(Dir Mater=「地平線」)で、

天地創造の祭、その無形体の体から宇宙が誕生したという。

ディアメテルは、ティアマトのギリシア語形で、「女神」「母」を意味する。

ディアメテルは、後に記載するマルドゥークがティアマトを分割して確立したものであり、

現在でも、直径を意味するディアメータ−=Dir Mater が、円周を等分割するという。

 

また、深淵Tohu Bohuの擬人化でもある。

よって、そこから派生したヘブライ神話で、ティアマトはテホム(Tehom=深淵)となり、

初めて彼女は聖書に現れる。

父権制下の聖書記者たちは、「深淵」は子宮を擬人化したもので、

天地創造以前はその存在が「フォームレス(formless=混沌)」であった「カーリー」の

中東版であるという事を忘れていた。

大抵の創世神話は、この混沌という概念を、

「光」をもたらす誕生以前の闇や、

母親の体を分割して天と地にするという事で具体的に表した。

聖書の説明はこの原形に基づいている。

 

エジプトではティアマトは、「テム−(Temu)」または、

「テ・ムト(Te-Mut)」と呼ばれた。

「テム」は神々のうちで最年長であり、

4組の男神女神2柱(それぞれの2柱が水・夜・闇・永遠という女性的要素を表した)からなる、

古い神々の母であった(テムを含めて九柱神をなした)。

彼女は又、「ヌン」「ナウネト」「マ・ヌ」、すなわち宇宙と神々を産んだ巨魚であった。

くり返される生成のの周期において、彼女は「カーリー」と同じく、

定期的に神々と宇宙を飲み込み、復活させた。

 

その容姿は、時代によって様々に伝えられ、

大体が人間の女性の体に、動物の体の一部が付いている姿を取る。

一般的には、一部がそれぞれ、獣・蛇・鳥が混合した怪物の姿。

そんな姿の牝竜だといわれている。

また、七つの頭を持つドラゴンだとか、

上半身が人間の女性、下半身が蛇だとか、

人間の女性に尾が生えただけともいう。

その性格としては、西アジアでは、通常は優しく、

一度怒ると恐ろしい女神として記されている。

 

「ティアマト」とは、「苦い水」を表す。

ヘブライ人は、彼女の事を、「トフ」

シリア人は「タウテ」と呼んだ。

 

この女神は塩水を司る女神で、海を擬人化した混沌の母である。

海は全てを産む母であり、ティアマト自身も創造神と考えられている。

この女神が、他の神と闘い、敗れた後、その死体は大地となったという。

 

ティアマトは天地創造以前の混沌の状態でも、生命の源であった。

様々な神話によると、

ティアマトは自力で「創造の液体」を造り出したが、

これは精液ではなく、自らの経血で、3年sと3ヶ月、止まる事なく流出した。

この経血の大いなる貯蔵所は紅海(カーリーの血の海に匹敵する)であったが、

その東岸は今日でもアラブ人たちは、

「ティハマト (Tihamat)」と呼んでいる。

 

 

キリスト教では、「ティアマト」は、邪悪なドラゴンと考えられて、

古き蛇「サタン」とも、同一視されたという。

キリスト教では、「最初の混沌」である創造神は、「創造された秩序」とは、

運命的に不和であって、

悪の部類にされてしまっている。

 

昔は、海の神のティアマト、淡水の神アプスー(ユピテル・プルウィウスに相当する)、

霧の神ムンム(ティアマトにそっくりで、彼女の初の子であったといわれている)が、

宇宙を構成していた。

中でも、ティアマトと、アプスーは、夫婦で、この夫婦は、

「ラフム」「ラハム」「アンシャル」「キシャル」という神を産み、

孫である「エア」「アヌ」もできた。

 

古代バビロニア叙事『エヌマ・エリシュ』によれば・・・

神々の間に戦争が起こった。

孫である「アヌ」が、ティアマトに戦いを挑んできたのである。

ティアマトは以前

、霧の神「ムンム」に、

子孫を滅ぼせといわれた時、

乗り気ではなかったが、この時はさすがに決意をした。

ティアマトは相手の戦力を研究し、11の魔を作った。

その11の魔とは、

バビロニアの嵐の魔神パズス

半人半魚のオアンネス

サソリの尾を持つ悪竜ムシュフシュ

海竜ラハム(ラハブとも)

有翼牡牛クサリク

七頭の大蛇(ティアマト自身だともいわれている)

サソリ人間

毒蛇

猛犬(狂犬)

巨大ライオン

(毒蛇はマムシともいわれたり、マンモス、サソリ、

飛竜、ケンタウロスなどもいたといわれる)

である。

見ての通り、かなりメジャーな魔物も多い為、

ティアマトは怪物の母ともいわれている。

 

そして、ティアマトに敵対する神々は、マルドゥークという神に全てを託し、

最強の装備をさせた。

この時にマルドゥークは神々の王となった。

そもそもマルドゥークも、血縁上の中に生まれた神で、

父であるアプス−を殺した、子のエアが、

アプス−の力を奪って淡水の神となり、

妻のダムキナにマルドゥークを産ませた。

 

このマルドゥークは戦車に乗り、弓と三叉の矛と棍棒、

網と風の武器を持って出陣していった。

(持っていたのは剣・弓矢・毒の息を避ける薬草であったともいう)

マルドゥークはティアマトを口汚く罵った。

ティアマトは怒り狂い魔法をかけたが、マルドゥークの魔法によりはね返された。

ティアマトが毒などを吐きながら、これを飲み込もうと、口を開いた時、

マルドゥークは、薬草で毒を中和し、網で相手の動きを封じ、

その口の中にまっすぐ荒れ狂う風を吹き付けた。

荒れ狂う風によって閉じられなくなった口の中に矢を放たれ、

ティアマトは心臓を一突きにされて死んでしまったという。

 

マルドゥークは残った軍勢を一掃すると、

「天命のタブレット(トゥプシマティ=tupsimati、天命の書板、または、運命の銘板)」

を奪った。

そして、自分の胸に置いた。

これはティアマトが新しく夫になった「キング−」に贈った宝物であるという。

戦いに勝利したマルドゥークは、最後にティアマトの死体を二つに裂き、

その一つである天の水を天空に押し上げて空を造り、

もう一つの地の水を水に浮かべて大地や、海、川、地下水を造ったという。

そして、三叉の矛で粉々に砕いた頭蓋骨は天にまき散らして星に、

脳漿(のうしょう)は地下水から流れ出る川に、

唾液は雲となった(マルドゥークはこの功績から霧の発生と雨を降らせる権利を得た)。

また、頭は山、両目から流れる涙はティグリス・ユーフラテス川の源となった。

また、鼻孔を塞いで、メソポタミアを洪水から守った。

大きな二つの乳房は高い山となって、

そこに穴をあけると大量の乳が溢れ出すので、泉と名付けられる。

長い尾は天に縛り付け、天と地の距離を保つ物になって、大腿部はその柱となった。

また、あまった部分も、アプス−が横たわる大地かかけられ、より強固にした。

内臓も何かに使われたようだが、記述として残っていない。

世界はこうして出来上がったのだといわれている。

人間はキング−の血でできているという。

また、これと同様に、ユダヤ人の神は

「大空を造って、大空の下の水と、大空の上の水を分けられた}(『創世記』より)

ユダヤ人の神は又、紅海を分けたが、

紅海はティアマトになぞらえられた。

 

上記してあるように、マルドゥークは母親(血の海)を殺害したと考えられるが、

それでも彼はバビロンで月経歴(太陰暦)を使用し続け、

月の相に従って一年の安息日や、各月を祝った。

現代の学者たちは、

ティアマトはマルドゥークに殺害された「混沌のドラゴン」に過ぎないと述べ、

彼女の女造物主としての母性を無視する傾向にある。

マルドゥークの母親殺害の動機が、嫉妬であったかもしれないという伝承もある。

ティアマトは息子マルドゥークをないがしろにし、

もう一人の息子、キング−を夫にして、宇宙の王に選んだからであるという。

ティアマトは自分の産んだ神々の中で、キングーの地位を高め、

兄弟の中で最高の者にし、玉座に付けさせ、こう語ったという。

「我が呪文は汝を神々の最も高き位に高めリ。

ありとある神々を統べる力を我は汝に委ねき。

汝、我が選びし夫よ。

汝は威厳ある者にならん。

汝が名は世界中に大なるものとならん」

そこでキング−に「天命のタブレット」を授けたという。

嫉妬に狂ったマルドゥークはティアマトを殺害しただけでなく、

キング−を廃位し、去勢した上で、その血で人類を造ったという。

 

 

 

ゲームでの扱い

 

『旧約・女神転生』(スーパーファミコン)

 

まず、『女神転生氈xの方は、レベル51の妖獣の種族になっていて、

東洋の龍のような姿で、緑色。

色違いに、「ティホン」「ウォンロン」がいる。

 

それで、『女神転生』の方は、レベル72の怪獣の種族。

真っ赤なドラゴンだ。

色違いに、「ティホン」「ファフニ−ル」がいる。

 

どちらとも、「ティアマット」と呼ばれている。

 

『デビルサマナー ソウルハッカーズ』(セガサターン&プレイステーション)

 

ナオミのビジョンクエストで登場する。

ここでは「ティアマト」。

二上門地下の西側、大列石霊室で、出会うボス敵。

魔法に強く、物理攻撃に弱い。

使う魔法は「アギ」「アギラオ」「ブフ」「ジオ」「メギド」。

使う特技は、「ネクロ・ドグマ」「サンダーボルト」。

容姿は、紫色の皮膚に、緑の暗号的ラインで飾った派手な色彩。

8つの乳房を持ち、母性をかかげ、

数本の触手を持つ。

首から、さらに、女性の上半身が生え、

その腹部には、女陰を思わせる物が見られる。

混沌の象徴だっただけに禍々しい姿で、

シリーズでのドラゴンのイメージをくつがえした。

アプス−と、ティアマトのうち、ティアマトを倒すと、後に、マニト−が魔法タイプとなる。

 

 

 

『ファイナルファンタジー』(ファミコン)

 

このゲームでは「ティアマット」。

悪の四天王として登場している。

浮遊城に棲むカオスの一人で、風のクリスタルを奪った、風のカオス。

ここでは、6本の首を持つドラゴンである。伝承の七本の首を持つ竜に近い姿である。

 

『ファイナルファンタジー』(ファミコン)

 

シリーズ第一作目より、格下げした。ここでも名前は「ティアマット」。

ボスからざこに。しかし、かなりの強敵である。

やはり、首の数も一つ減って、5つになっているのは、気のせいであろうか?

ここでは、黒い翼を生やしている。

もはや、神通力も使用不能といったところか。

 

『ファイナルファンタジーヲ』(プレイステーション)

 

頭の数は一つとなったが、より強さを掌握した存在となっている。

ここでは「ティアマト」と呼ばれている。

もともとは、色違いの「バハムート」のように、G.F(ガーディアン・フォース)であったが、

魔女「アルティミシア」の絶大なる力に屈し、その忠実なるしもべとなった。

この黒きドラゴンは、アルティミシア城の時計塔に出現する。

ゆっくりと、自分の攻撃技、「ダークフレア」の名前を読み上げ、

それをいい終えた途端に、暗黒の爆発が起こる。

空を舞う悪夢。

 

『女神転生』(ファミコン)

 

ここでは、「ティアマット」と呼ばれ、

太いニ本の角を持ったレッドドラゴンとして登場している。

武器はその爪での「ひっかく」と、「火炎」、伝承に出てくる「毒ガス」である。

色違いに、「ティホン」「ファフニ−ル」がいる。

 

 

出身

バビロニア

エジプト

出典

●『悪魔の事典』 フレッド・ゲティングズ  大瀧啓裕訳  青土社

●『旧約・女神転生のすべて』 宝島社  必本スーパー! 編

●『幻獣ドラゴン』 苑崎透  新紀元社

●『幻獣博物図鑑 ファンタジック・モンスターの系譜』 新人物往来社

●『幻想世界の住人たち』 建部伸明と怪兵隊  新紀元社

●『幻想動物事典』 草野 巧著  シブヤユウジ画  新紀元社

●『神話・伝承事典 失われた女神たちの復権』 

バーバラ・ウォ−カー著 山下主一郎主幹 青木義孝

栗山啓一 塚野千晶 中名生登美子 山下主一郎 共訳  大修館書房

●『世界幻獣図鑑 ファンタジックワールドへの招待 歴史読本特別増刊スペシャル49』 新人物往来 

●『世界神話辞典』 アーサー・コッテル著 左近司祥子 宮本啓一 瀬戸井厚子 伊藤克巳 山口拓夢 左近司彩子訳山口拓夢 左近司彩子訳

●『世界の怪獣大百科』 ケイブンシャ

●『世界の神話伝説 総解説』 自由国民社

●『デビルサマナー ソウルハッカーズのすべて』 アスペクト

●『ファイナルファンタジー大全集 上』 DigiCube

●『ファイナルファンタジーモンスターマニュアル 天野善孝イラスト集』 J I CC出版局

●『女神』 高平鳴海&女神探究会著  新紀元社

●『女神転生のすべて』 J I CC出版局  成沢大輔

●『モンスター軍団大百科』 実業之日本社

●『RPG幻想事典 逆引きモンスターガイド 西洋編』 ヘッドルーム編著

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