クトゥルー 魔界監視局
今昔物語の加賀の大蜈蚣
こんじゃくものがたりのかがのおおむかで
この蜈蚣は
『今昔物語』巻十六加賀国諍^蜈島行人助^住島語第九に書かれている。
以下のようなものである。
加賀国の漁夫七人が海に出て暴風に遭ってある島に着いた。
すると上品な身扮(みなり)の若者が迎えにきて歓待するので不審に思って理由をきくと、
「風を吹かせて貴方がたの船をこの島に着けさしたのは、実はわたしが行った事で
貴方がたに助力をお願いしたい為だったのです。
この島の先の方にも島があって某処の主がこの島を征服しようとしているが、
とても勝ち目はないので、あなたがたに助けていただきたい。」
という。
七人の漁夫は丁度弓矢も持っていたので承諾した。
その夜の暁方になると沖の方に二つの怪光が現れ、
物凄い風が吹き付けはじめた。
七人が目を凝らして見ていると近付いてくるのは長さが30m程もある大蜈蚣である。
するとこちら側から胴中が一抱えもあると思われる大蛇が海に向かって進み、
そこで大蜈蚣と大蛇は雲を飛ばし海を荒れさせて死闘を始めた。
しかし、蜈蚣にはたくさんの手があるので、大蛇は不利である。
そこで七人の漁夫は弓に矢を番えて(つがえて)蜈蚣を射、
弱ったところを刀でズタズタに斬って殺してしまった。
やがて、傷付いた若者が現れ、
「御助力のお陰で勝つ事ができて誠に有り難い。
島に平和が戻ったから、貴方がたもここに住んで下さい」
というので七人は国に戻って妻子を引き連れ、
この島で平和に暮らした。
というものである。
この物語が後に粉飾されて、「俵藤太(たわらのとうた、たわらとうた)」の
「三上山の大百足」退治の物語に発展していった。
出身
加賀の近くの島
出典
●『図説日本未確認生物事典』 笹間良彦著 柏書房