クトゥルー 魔界監視局
ゲマトリア
gematria
言葉の背後にひそむ真実や、
隠された意味を見つける方式。
カバラの実践から一般化した方法で、
ヘブライ語のアルファベットの文字がそれに相応する数値を与えられているという。
その場合単語の中の文字の数値は、
特別な価値を与える為にすべて加算される。
同じ数値の単語は、その間に照応または類似があるとみなされ、
その結果、しばしば巧妙な解釈をあてがわれる。
トラフテンバーグは、数字の簡約という方法によって、
そのような類似による、照応を抽象する七つの異なった方法を列挙する。
「ノタリコン」「テムラ−」も混同される。
ゲマトリアの最古の使用は、現在分かっている限りでは、
紀元前八世紀の古代バビロニア王サルゴン二世まで遡る。
王はきっかり、
一万六二八三キュービット(1キュービットは約、45〜56cm)にわたる、
コ−サバドの壁を築いたが、
その数こそ、自分の名前の数値であった。
古代ギリシア人は、夢の解釈にゲマトリアを使ったという。
その仕組みはマギの文献にも出てくる。
グノーシス主義では、ゲマトリアを
アブラクサス(グノーシス派の呪文)とミトラ教の神の名前に当てはめ、
合計すると一年の日数365になるので、
両者を同等とみなしている。
ヘブライ人はこれを占いに用いた。
初期のキリスト教徒は、その手法を借用して、
イエスの象徴として、ハトを導き出した。
ギリシア語の鳩を表す「ペリステラ」は、
合計が801となり、始まりと終わりを表す、
ギリシア文字のアルファまた、オメガと同数になる。
しかし、ゲマトリアを深く研究して、一つの術にまで高めたのは、
カバラ主義者である。
十三世紀における初期のカバラ主義者は、
旧約聖書が神の啓示に基づいて暗号で書かれていると信じていた。
ゲマトリアはがこの暗号の基本的な解読の一つの手段だったのである。
例えばエレミア書九章九節にある
「空の鳥も家畜もことごとく逃げた」
という言葉は、52年間ユダヤを通った旅人がいないという風に解釈された。
ドイツのカバラ研究者であるヴォルムスのエレアザ−ルは、
十三世紀に聖書にゲマトリアを駆使して幅広い注解を加えた。
ゲマトリアは神の神秘的かつ神聖な名前を探したり、
解釈したりする為にも使われた。
神の名前は信じられない力を持つと信じられていたからである。
祭儀魔術師は、カバラの書を用いて、
召霊や呪文に使う力にあてる新しい語を造り出した。