セイザン

 

種別=【使い魔、猫】

使用する力=蟇に変わる、黒犬に変わる(嘘の証言か)、触れる(死亡させる)、赤痢にする、吸血、願いを叶える

持ち物=(嘘の証言からかもしれないが・・)短剣、鎖、笛のようなもの

出身=イングランド エセックス州 ハットフィールド・ペヴェレル

 

イングランドのエセックス州、チェルムズフォードの魔女裁判で魔女だとされ処刑された「エリザベス・フランシス」が愛玩していた歳老いた猫。

これは蟇に変身する事ができる白斑の猫だったといい、虚ろで奇妙な声で話すが、慣れれば聞き取れたという。

願いごとを一つ聞く度に、エリザベスの血を一滴だけ要求したという。

同じく魔女とされた「アグネス・ウォーターハウス」の元へと渡っている。

 

 

エリザベスの祖母「イヴ」は彼女にこれは自分の血で飼いならすものだと教える。

そしてパンと牛乳で育てる事を命じられたという。

彼女はこれを籠に入れて飼っていた。

エリザベスは金持ちになっていろいろな物が欲しいとこの使い魔に言うと、望みを叶えてやるといい、何が欲しいか訪ねてきた。

彼女が羊を希望すると、「セイザン」は彼女の牧草地にすぐに十八匹の羊を用意した。この羊には黒と白のものがいてやがてすべて消えたと言うから、これも使い魔のものだったのかもしれない。

彼女は次に「アンドリュー・バイルズ」という男を夫にしたいと願うと、アンドリューにエリザベスを苛めさせるがそれでもいいかと「セイザン」は言った。

アンドリューは彼女を苛め結婚しようとしなかったので、彼女は彼の持ち物をすべて台なしにして欲しいと願い、それが叶えられると今度は「セイザン」が彼に触れる事を希望した。この為、アンドリューは死んだ。

この後、エリザベスは自分が妊娠している事を知り(事実かは不明)、これの堕胎を希望すると「セイザン」はある香草を煎じて飲むようにい言う。そして堕胎も成功した。

エリザベスは別の夫を要求すると、「セイザン」はフランシスという男を指名したが、彼はあまり裕福ではない、そして彼の不倫を許せ、と言ったので彼女はこれを了承して結婚し、フランシストの子供を宿し、三ヶ月で出産した。

この結婚は生活を狂わせるものだったので、彼女は子供を殺す事と、フランシスの片足を悪くする事を願った。

子供を殺し、その後「セイザン」は蟇に変身しフランシスの靴の中に隠れていた。

フランシスが足でこれに触れて「これはなんだ」と妻に問うと、エリザベスは夫にそれを殺すように言う。その瞬間からフランシスの足は不自由なままだという。

この後も彼女は十五〜十六年に渡って「セイザン」を飼い続けてきた。

しかし、飽きてきた彼女はウォーターハウスに、菓子をくれたら「生涯役に立つものをやろう」と言って、ウォーターハウスに前掛けで包んでいた「セイザン」を与えた。祖母の「イヴ」から教わった事をそのまま伝えて。

 

このあとは「アグネス・ウォーターハウス」という六十三歳の未亡人が飼い主となる。

彼女は飼っていた箱の縁取りの毛皮が必要になったので「セイザン」を蟇に変えていた。

彼女も数件の魔女としての疑いで裁判にかけられる。

彼女の自供によると、グッデイという未亡人の雌牛をこの使い魔に命じて溺死させ、隣人の鷲鳩三羽も殺させ、バターを分けてくれなかった者にも、数日後に復讐した。また、別の人物を赤痢で殺させたとされ、ウォーターハウスは後に絞首刑となった。彼女は「セイザン」に顔数カ所と、鼻からの血を吸わせていたそうだ。

 

次の飼い主はアグネスの娘「ジョーン・ウォーターハウス」という十八歳の娘だった。もちろん彼女も裁判にかけられた。

彼女は十二歳のアグネス・ブラウンという少女の右足と左足を不自由にしたとされ、この時アグネス・ブラウンは「セイザン」は黒犬の姿に変身していたと証言した。

この時の証言での「セイザン」の容姿と行動は次の通りである。

猿の顔に似た黒犬のような姿で、尾は短く、首の周りに鎖と銀の笛のようなものを付けていて、頭に二本の角が生えていた。口にはアグネスが仕事をしていた牛乳小屋の鍵をくわえていた。これは飛び回り、刺草の天辺に座り、何かをもらうまで動かないと言った。これはバターをずっと欲していて、数日後にはジョーンの短剣を口にくわえてアグネスを殺そうとしたという。

しかし、この娘の証言は嘘だとされ、無罪となった。

ジョーンは、家に包丁はあるが短剣はないと主張した。

 

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