ポーチュン

読み=【ポーチュン】

スペル=【Portunes、Pochun】

別名=【】

種別

精霊、妖精、ごく小さい妖精

使用する力

仕事の手伝い、いたずら、逃げる

持ち物

カエル

出身=【イギリス】

 

ティルベリーのジャーヴァスが『皇帝にささげる閑談集』で紹介している小さな農耕妖精。

おそらく「ごく小さい妖精」の1番はじめに伝わったもの。人の指程の大きさであるという。

日中は農場で働き、夜になって戸締まりが済むと火を起こし、懐からカエルを取り出し、石炭の火の上でそれを焼いて食べるのが彼らの習慣である。

ジャーヴァスによると、彼らは非常に小柄で、身の丈わずか半インチ(約1.2センチ)となっているが、トマス・キートリー(『妖精神話考』の著者)は、これは写字生がフィートとインチ、つまり、ラテン語で「足」と「親指」を意味する言葉の複数形Pedisまた、Pollicisを書き違えたのではないか、つまり半インチではなく、半フィート(約15センチ)だったのではと推測している。

オタマジャクシからカエルになったばかりの小さなものでも、それを懐に入れて運ぶには少なくとも身の丈1フィート(約30センチ)は必要である。

ともあれ、この「ポーチュン」はしわくちゃの顔をしたお爺さんの姿で、継ぎはぎだらけの上着を着ていたという。

何かを家の中に運び込まなければいけないとか、何か厄介な仕事をしなければならない事態が起こると、彼らは惜しみなく力を貸してくれた。

さらに彼らは善行はするが悪事は働かないといった妖精であった。

ただ、たった一つ彼らの好きな悪戯があった。

それは誰かが闇夜を馬でやってくると、この妖精が馬のくつわを手に取って池の中に誘導し、その後高笑いをして逃げていくという行為を時々するだけであった。

彼らは群れをなして生活するという。

 

 

水木しげる先生は、彼らのいたずらに関して、「ポーチュン」はしばらく馬と並んで歩き、しまいには手綱を横取りして、馬を道の脇のぬかるみに向け、乗っていた者を振り落とさせ、その光景を見て高笑いし、逃げると説明している。

水木しげる先生の絵では、髪がぼさぼさと生え、ぼろをまとった浮浪者のような姿をしている。

出典

『カラー版妖精画談』 水木しげる著 岩波新書

『皇帝にささげる閑談集』 ジャーヴァス

『妖鬼化(むじゃら)世界編《ヨーロッパ》』第6巻 水木しげる ソフトガレージ

『妖精事典』 キャサリン・ブリッグズ編著 平野敬一 井村君江 三宅忠明 吉田新一 共訳 冨山房

『妖精神話考』 トマス・キートリー

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