モア

読み=【モア】

スペル=【】

別名=【】

種別=【英雄、人間、騎士、ドラゴンバスター】

使用する力=【怪力】

持ち物=【鉄釘鎧】

出身=【イギリス ランカシャー】

 

J.A.ハーランド、T.T.ウィルキンソンが、『ランカシャーの伝説、伝承、野外劇およびスポーツ』に乗せた物語に登場する。

ランカシャー地方一帯では、ドラゴンが恐怖の対象となっていて、樹木・家畜、時には人間も喰い、幼い3人の子供を食べてしまった事もある。

このドラゴンの住処近辺に「モア館のモア」という騎士が住んでいた。

彼は怪力の持ち主で、ある馬に腹を立て、たてがみを掴んで振り回し殺してしまった事さえあるほどである。

そして、この馬の頭だけを残して全部食べてしまったという怪物のような男だった。

ランカシャーの人々は、自分達を脅かすドラゴンを退治してほしいと、「モア

館」にやってきて、「モア」に頼んだ。

人々は退治してくれたら、自分達に残った財産はすべて与えると、涙を流して頼み込んだ。

だが、この騎士は、闘いの為に夜自分に油を注いでくれ、朝鎧を装備させてくれる、16歳の黒髪の乙女を一人くれれば何もいらないと言った。

契約は結ばれて、騎士はシェフィールドに行き、鍛冶屋で1本5、6インチ(約13から15センチ)の長さの鉄の釘を鎧にびっしり付けさせた。

そして「モア」は、ドラゴンがいつも水を飲みに来る井戸に身を潜めた。

やがて、いつも通りドラゴンがやってきて水を飲もうとした時、井戸の中から叫び、首を突き出し、ドラゴンに一撃を与えた。

しかし、ドラゴンも怯まずに、そこから、「モア」とドラゴンの長い闘いが始まった。

闘いは二日と一晩つづけたが、どちら側も相手に傷を負わせる事ができない。

だが、ドラゴンは「モア」を空に放り投げる勢いで襲いかかる。「モア」もこれを避け、ドラゴンの背中に強力な蹴りの一撃をおみまいする。

背中のその部分はちょうどドラゴンの弱点の部分であったらしく、鎧に付けられた鉄の釘がその急所を刺した事によって、ドラゴンは恐ろしい程吠え、苦しみのたうち、喘ぎ、数分後には絶命したという。

 

このモアという騎士は町の守護をする「ゴーレム」のような存在かもしれない。

体に油を注いでもらい、人にはない怪力を持つ。

馬をを食べてしまうところは、馬の力を手に入れて、「馬力」を上昇させる為のものか?

ドラゴンと無傷で数日間戦えるのは、聖者でも無理だろう。

だから、ロボットのような存在なのかもしれない。

 

出典

『妖精事典』 キャサリン・ブリッグズ/編著 平野敬一/井村君江/三宅忠明/吉田新一/共訳 冨山房

 

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