ガブリエルの猟犬群
読み=【ガブリエルノリョウケングン】
スペル=【Gabriel Hounds】
別名=【ガブリエル・ハウンド、ガブリエル・ラチェット、空で吠えたてるもの】
種別=【犬、猟犬群、ゴースト、アンデッド】
使用する力=【「七鳴き」、死・災いの予兆】
持ち物=【なし】
出身=【イギリス ランカシャー】
古名は「ガブリエル・ラチェット」。
秋の夕暮れなどに多数の猟犬の鳴き声が聞こえる現象でドップラー効果を生じさせながら遠くに去っていくものだという。
霊感の強いものは、猟犬の群れとそれを率いる猟師の姿が見えるという。
これはガンなどの渡り鳥が移動する時の鳴き声や羽ばたきの音は、この亡霊猟犬群の吠える声だとされる事がある。
詩人ワーズワースはこの鳴き声の事を「七鳴き」と呼ばれるもので、この犬達と深く関連するものだと言っている。それを一部抜粋する。
彼は見た、いつも群れなす七羽の鳥を、
彼は見た、夜な夜な回る鳴き妖怪、
目を凝らし驚かされる事もある・・・
空高く駈けているのは、ガブリエルの猟犬群、
信なき主に率いられ、
空飛ぶ雄鹿追いながら、
夜空を永久(とわ)に駆け巡る。
ランカシャーで伝わるこの魔の猟犬群は、人間の頭部を持ち、空高く飛ぶ犬の群れであるとされた。また罪人の魂を追跡する部隊であるともいわれる。
『カウンティー・フォークロア』第4巻(1903年)に書かれているブロッキーという人物の証言では、この猟犬群は特定の家の上を旋回するように移動するのだという。
そういった場合は、その家の住人の死や災いを予兆しているのだという。
『ブリテン島における妖精伝承』(1948年)の中でルイス・スペンスは、この犬の魔の軍勢は、「イェス・ハウンドの群れ」「クーン・アンヌーン」のランカシャー版であるとしている。
別地方では「スルーア」という亡霊たちだとされる。
また、ダイアン・フォーチュンの『あの人は悪魔』という小説に登場する「星幽猟犬」はこの猟犬群がルーツだという。
クトゥルー神話に登場する「ティンダロスの猟犬」も異次元的な魔物である。
出典
『西洋魔物図鑑』 江口之隆 翔泳社
『妖精事典』 キャサリン・ブリッグズ/編著 平野敬一/井村君江/三宅忠明/吉田新一/共訳 冨山房