幻想住人録

クトゥルー 魔界監視局

悪魔

あくま

Demon

Devil

 別名

 ●デーモン   ●デヴィル

 ●デイモン   ●デェモン

 ●デビル

 

人間にとって有害であり、人間の未来の進化を破滅させようとする、非物質的な霊。

悪魔を意味する「デーモン」という言葉の起源は、

サンスクリット語の di v (輝く)から発し、ギリシア語の「ダイモーン」を経ている。

またこの辺りから「デーヴァ」という名前も出ているが、

これは人間の力になる、慈愛に満ちた輝く存在に多く使われている。

なぜ、慈愛に満ちた輝く存在の語源となった言葉が、

地獄の使いの言葉の語源になっていったのだろうか?

 

「堕天使」という言葉もあるとおり、少なくとも悪魔たちは、

各地域で崇められてきた文明の神々の一員であった。オカルトの格言に

 「デヴィルは転倒した神である」

というのもある。

 また、聖書ではかなり具体的であり、『詩篇』第九五篇五節には、

「すべての異教徒の神はデーモン(「ダイモニア」)なり」

と記してある。

まず、ヘブライ語の「サタン」を

ギリシア語の「ディアボロス」と翻訳する事から説明しよう。

皆が知るように、「サタン」とは、「悪魔」を統べる王として名高いが、

もとは、人間の神に対する関係を検証する程度のものだったので、

すぐに悪の象徴になったわけではなかった。

そして、「サタン」と、「ディアボロス(『ヘルメスの経典』の書中で、悪魔の支配者がこう呼ばれている)」は、まず混同され、後に同一の意味となってしまう。

『新約聖書』のギリシア語として出てくる「サタナス」は、神の敵として多数使用され、

『ヨハネの黙示録』第十二章9で、

 「この巨大な竜、すなわち、悪魔とかサタンとか呼ばれ、・・・」

とも記してある。

 

また「悪魔」に

「ベルフェゴール(ベールフェゴル、ベルフェゴル、バールフェゴールとも)」

という者がいるが、これは

「ベル・ペオル(バール・ペオルとも)」神にさかのぼる事ができ、

少なくとも神の一員であった(それが便器に座った排泄物の魔神になるとは)。

 

世界には慈愛深い霊=神と、誘惑する神=悪魔がいて、

誘惑する神=悪魔は、個々の人間に伴う存在であったという。

 この誘惑する霊=悪魔は、ギリシア語で「カコダイモーン」と呼ばれ、

慈愛深い霊=神は、「ダイモーン(アガトダイモーンとも)と呼ばれていた。

しかし、この「ダイモーン」という名前はしだいに悪魔を示す言葉となってしまった。

 

また、悪魔学者による古典的なイメージは、4世紀の教父の初期の著作から出たもので、

漫画風に描かれた悪魔は、半人半獣神の「パン」のような姿をした、

割れた蹄と山羊の頭と下半身をもつ姿となった

(しかしながら、この姿は、「魔女」の集会であるサバトの主、「レオナルド」「パフォメット」などともいわれている)。

 

病気とは悪魔が取り憑いて起こる現象か?

 

グノーシス派の者達は、病人にはそれぞれ悪魔が取り憑いている、と主張している。

スペインの異端審問官「ピエール・ド・ランクル」は、

この意見に耳を傾けてはならないといっている。

また重病にかかる者はすべて、

悪魔憑きなどという世俗の迷信は忌避すべきであるといっている。

病気が重度の錯乱を引き起こすことも少なくない。

Pルブランの報告によれば、眼病にかかった女性が様々な奇怪で恐ろしい幻覚に捕らわれ、

自分は魔法にかけられたものと思い込んだが、有能な眼科医の手術を受け、

眼病が治癒したと同時に幻覚も消え去ったという。 

 

だが一方では、病気の原因が実は悪魔憑きだったという例もある。

「病人の生死の判断方法は人様々である。だが、私がここに記す判断方法は誰もが利用でき、しかも絶対確実のものである。まず、イラクサ(双子葉植物。刺草と書く)を一本用意して、病人の排泄直後の新鮮な尿に浸す。そのまま24時間放置し、イラクサが緑色ならば、病人が助かるしるしである」『小アルベール』

 

悪魔の芸術品

 

悪魔の像

ベリー・セント・エドマンズのコーンヒル近辺に立つ現代建築に作られている

デーモンの木彫りの像があり、異様な容姿をしている。

「サテュロス」の下半身(つまり、山羊)と、割れた蹄を持ち、

盾のようなもので下半身を隠している。顔は髭面の薄笑いを浮かべた男である。

一部の歴史家によれば、

ここは16世紀に「魔女」たちが絞首刑に処せられた広場であるといい、

人によっては、処刑場が古い僧院に近い所だったという者もいる。

 

悪魔画

アルブレヒト・デューラーの木版(1498年版)には、

「悪魔」がミサの参列者の注意をそらそうとしている絵がある。

ここに描かれた「悪魔」は、蝙蝠のような翼と、尻尾を持ち、

尖った嘴と数本の角の生えた、「小悪魔」である。

 

 13世紀のベーメ稿本の彩色画に無気味な「悪魔」が描かれている。

巨大な頭と、痩せ細った体を持った姿で、赤い2本の角を生やし、

頭部は鱗に覆われ、漆黒の顔を持つ。

不気味に半開きになった口からは、2枚の舌が垂れ下がっている。

そして、手足には、真っ赤な鋭い爪が生えている。

別書では、これに「アグ」「アバイ」という名前が付いていて、

エジプトの悪鬼となっているが、確かな情報かは不明である。

 この絵はストックホルムの王位図書館に所蔵してある。

 

 

出身

 

出典

●『悪魔の事典』 フレッド・ゲティングズ  大瀧啓裕訳  青土社

●『地獄の辞典』 コラン・ド・プランシー  床鍋剛彦訳  吉田八岑協力  講談社

 

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